「TRAIN SUITE 四季島」1泊2日春〜秋コース⑥

四季島

ツアー2日目

2日目は朝3時から始まります。
ここからは完全に乗り鉄の個人的な趣味の時間が始まります。この時間は新津駅に停車しており、2時に到着し、3時30分に発車する予定になっています。この時間に起きて、10号車にやってきたの理由があります。

新津駅
運転手時刻表

この新津駅からは10号車が先頭車両になります。1泊2日では短い時間の先頭車両ということもありますが、この先の新津駅から喜多方駅までの磐越西線は非電化区間になります。この1泊2日のツアーでは唯一のディーゼル運転になります。そのため、この時間帯を逃すと四季島の特徴の1つを見逃すことになります。
四季島には1号車と10号車にディーゼル発電機を装備しているため、このディーゼル走行時は動力集中方式での運行になります。この方式を「ECD方式(電気・ディーゼル両用車両)」と呼ばれますが、日本ではこの四季島にしか採用されていません。その理由としては、「ECD方式」を必要とする路線に車両を通す機会がないからです。しかし、この四季島1編成で東日本のあらゆるところに行くことができることや架線に異常時があった場合に、非常時にディーゼル車として走行できるなどのメリットがあるため、この四季島で採用されたのではないでしょうか。また、四季島は青函トンネルを走行するため、25,000Vの電圧に対応することができる仕様になっています。そのため、四季島は複数の走行モードがあり、この1編成に日本の技術が凝縮されている車両と呼べます。

四季島のディーゼルエンジンの音は想像以上に大きな音がしていました。
動力集中ということやエンジンが床下についていないことも起因しているのかは定かではありませんが、キハ85などのディーゼル車では聞くことができない爆音を聞くことができました。車両を動かす以外にも車内の電気を賄うためにはこれほどの馬力が必要になることを体験しました。ちなみに船のエンジンルームよりかは静かです。

この磐越西線の区間では車掌さんとお話しすることができました。この時間(朝3時半)に展望車に来る乗客はもちろん少数派です。この日は私ともう1人いらっしゃいましたが、新津駅を出発して30分ほどでお部屋に戻られました。
先日から10号車が後方の展望車ということもあり、実は先日から車掌さんには大変お世話になっていました。
四季島に乗車して1番驚いたことは車掌さんともお話しする機会が多かったことです。一般的に「車掌」の業務は運転士への出発合図、乗降時の扉(ドア)扱い、車内放送、列車内の安全確認などが主なお仕事です。そのため、車内で車掌とお話しすることができる機会があるとは考えていませんでした。思い込みもあるかもしれませんが、おもてなしは「トレインクルー」、列車運行は「運転手・車掌」というイメージがありました。もちろん、走行中は運転手と会話する機会などはありませんでしたが、展望車に行くと車掌さんが沿線の説明や記念撮影をしてくださりました。

早朝ではありましたが、車掌さんも業務の余裕があったため1時間ほどお話しさせていただきました。これほど長時間マンツーマンでお話しさせていただける機会はありません。このような貴重な経験ができるのも、四季島という空間のおかげだと思います。
いくつか教えていただいた内容を少しだけ紹介します。
普段はあまり聞かない列車の免許について教えて頂きました。運転手の免許は「電車(在来線)」、「新幹線」、「ディーゼル機関車」、「蒸気機関車(SL)」の4つに分類されるようです。JR東日本の中でもこの4つの資格を所有している人もいるようですが、神様のような人になるそうです。この四季島は電車でもありディーゼル機関車でもありますが、電車の免許とディーゼル機関車の講習を受けたら、運転することは可能ということでした。自動車のAT限定解除に近いイメージでしょうか。

そのまま車内で夢を見ることも良いですが、6時前まで寝ていた場合は、このディーゼルでの走行を楽しむことができません。
ツアーの行程上非電化区間をディーゼル走行することはあるかと思いますが、深夜帯で走行するのは強気だと思いました。電化区間を走行した方が静かで安眠の妨げになる可能性は低いはずです。1号車・10号車の動力集中であるため、このような運航が可能なんでしょう。
また、気動車での走行がこの深夜帯だけになるのも残念だと感じました。電車でもあり気動車でもある車両はこの四季島しかないためです。鉄道マニアとしての希望があるのかもしれませんが、普通では乗ることができない四季島という車両についての魅力や高性能であるという技術の高さについて知る機会があれば、多くの人がスゴい車両に乗っていることを実感することができるのではないかと思います。

ディーゼルエンジン

深夜の車内探検

先頭車両に滞在し続けるのも良いですが、この時間帯に車内をお散歩してきました。もちろん、この時間帯は他の乗客がいないめ、車内を気軽に撮影することができました。列車内に誰もいないため、気分としてはこの列車を貸切しているような気分になります。夜中の暗い車内を灯す光が豪華さや華やかさをさらに演出しています。

LOUNGE こもれび[5号車]
DINING しきしま[6号車]
DINING しきしま[6号車]
VIEW TERRAC Eいぶき[10号車]
磐越西線の走行
四季島での夜明け
磐越西線の早朝

車掌さんと楽しくお話をしていたら完全に朝を迎えました。
早朝に、先頭車に1人で全面展望を楽しむことができるのは四季島だけです。3泊4日のコースでは早朝に青函トンネルを通過するところを見ることができます。次はその経験をしたいですね。

まとめ

眠たい目を擦りながら朝の3時に起きた甲斐がありました。
この時間に起きることは一般の人にはお勧めすることはできませんが、四季島という列車を堪能することができる時間になりました。
日中は他の乗客がいるため、写真撮影を行うことをためらうことがありますが、深夜では他の人に気を使うことなく行うことができます。また、深夜帯ということもあり、車内がより美しく映ります。せっかくの1泊の時間をどのように使うのかはとても悩ましいですが、個人としてはとても充実した使い方ができたと思います。

ーつづくー

コメント

タイトルとURLをコピーしました